がん治療の分野は日進月歩で、がんの治療薬として使われている抗がん剤もどんどん最新のものが登場しています。ここでは抗がん剤が必要とされる理由と厚労省が認可した新薬の情報をご紹介しましょう。
厚生労働省の調査によると、日本人の死因1位はがんであり、生涯のうちでがんに罹患するリスクは2人に1人というデータもがあります。抗がん剤は分子標的治療薬が導入されるなど、治療法の進歩が著しい分野と言えるでしょう。
現在は、およそ100種類以上の新薬が開発・治療に用いられており、どんどん最新のものが登場しています。
2016年に厚生労働省が承認した抗がん剤薬について商品名や成分、効果などに関する情報をご紹介。硬化のあるがんの種類と特徴をまとめました。
BRAF遺伝子変異をもつ悪性黒色腫(皮膚がんの一種でメラノーマとも呼ばれる)、切除不能な非小細胞肺がんの治療に用いられる新有効成分含有医薬品です。ほかにもがん細胞の増殖にかかわるシグナル伝達経路(MAPK経路)を阻害することにより、がん細胞自体の増殖を抑えることにも有用。
ほかにも、腫瘍増殖に関わる「BRAF V600遺伝子」の変異型のセリン/スレオニンキナーゼを阻害し、腫瘍増殖を抑える効果も期待できます。
上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーを阻害して、腫瘍細胞が増殖しないように抑制する治療薬です。EGFR遺伝子の変異を持っている非小細胞肺がんに対して有効に働くため併用治療として用いられています。
それまで非小細胞肺がんの治療薬に該当するものはなく、2015年7月に日本肺癌学会より治療薬の早期承認を要求。現在では非小細胞肺がんでは主力として使用される抗がん剤として認知されています。
前立腺がんの一種である去勢抵抗性前立腺がんに作用する放射性医薬品です。
ゾーフィゴ静注は放射性物質であるアルファ線の強いエネルギーを使って骨転移されたがんの増殖を抑制。4週の間に6回の注射で体内に注入して、骨転移巣したがんにアプローチします。
ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんが進行している状態にときに使用される抗がん剤。ALK融合遺伝子陽性タイプは、ATP(アデノシン三リン酸)とALK融合タンパクという成分が融合することにより、がん細胞が増殖します。
この融合を阻止することによりがんの進行を抑制できるでしょう。既存のALK阻害剤「クリゾチニブ」の抵抗性にも効果が期待できます。
慢性リンパ性白血病や小リンパ球性リンパ腫、さらにがんの再発などにブルトン型チロシンキナーゼの酵素活性の増殖を抑えてくれる治療薬。
イブルチニブはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)と共有結合して、リンパ節に起こる過剰な細胞増殖を阻止してくれます。
ヒロシ(57)
肺がんステージ4
現在57才。妻と子供2人の4人家族。
突然の肺がんステージ3宣告を受け、抗がん剤治療をメインに闘病したが、骨への転移が確認される。