副作用がつらくて抗がん剤治療はもうやめたい人へ 【ストーリーで読む】ステージ4がん患者でも選べる治療法 » 第三章 家族に勧められてがんのセカンドオピニオンを受ける » 薬物療法その2:分子標的治療薬

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薬物療法その2:分子標的治療薬

分子標的治療薬とは

抗がん剤には、「細胞障害性抗がん剤」と「分子標的治療薬」の2つに分類されます。

細胞障害性抗がん剤が、いわゆるがんを攻撃するが副作用が強い、一般的に「抗がん剤」を指します。分子標的治療薬は、新しいタイプの抗がん剤で、がん細胞だけを攻撃し、副作用をさす薬物有害反応が表れにくいという特徴があります。もう少し掘り下げると、特定の分子だけを攻撃し、がん細胞の増殖を防いだり、破壊します。

作用のメカニズムとしては、分子標的治療薬はがん細胞にある変性した異常たんぱく質に、分子標的治療薬が結合し、がん化を抑制する働きをすることで、がん細胞の活動を止めます。現在、がんに関する研究が進められ、がん細胞の増殖や転移は、異常な遺伝子から作られた物質が悪さをするためと考えられ、開発された薬です。

正常な細胞への影響が少ないので、細胞障害性抗がん剤に比べると、負担は軽くなってきます。臨床でも使用されるようになり注目されていますが、分子標的治療薬が効くがんの種類はまだ限られています。現在の分子生物学の進歩によって、がん細胞が持つ特徴を分子レベルでとらえ、それを標的とした薬が開発されました。

分子標的治療薬の種類と副作用

分子標的治療薬は、すべての種類のがんに効くわけではなく、現在では、白血病、乳がん、肺がんなどで治療手段として使用されています。アレルギー反応が表れ、点滴中に症状が良く見られるため輸注反応といわれる副作用の場合もあります。

分子標的治療薬のひとつに、白血病の治療薬「イマチニブ」があります。白血病を増殖される異常たんぱく質を抑える作用があります。

他には、乳がん治療に「抗HER2療法」がありますが、乳がんの中にある細胞HER2タンパクの働きを抑え、がん細胞の働きを抑える治療薬「トラスツズマブ」などがあります。

トラスツズマブは世界で初めて開発され、1998年にアメリカで承認、その後2001年に日本で保険承認された薬です。ただ、副作用が少ないとはいえ、抗がん剤と一緒に使用する治療薬のため、抗がん剤の副作用を回避することは難しいといえます。

2002年日本が世界に先駆けて承認した、肺がん治療薬「ゲフィチニブ」が話題を呼びました。

薬物性肺炎を起こして亡くなった方もいましたが、現在は、非小細胞肺がんで転移・再発した患者さんに効果があることが判明しています。今もなお、がんの増殖に関わるたんぱく質やDNAの探求が進み、薬の開発が進行されています。

ALK阻害薬

ALK阻害薬は「ALK融合遺伝子」の活性化を抑制する治療薬です。ALK融合遺伝子とは、ALKとEML4という遺伝子が本来と異なる方向に結合してできる異常遺伝子のことで、強力ながん細胞遺伝子のひとつです。

ALK阻害薬の薬剤名や対象になるがんの種類

クリゾチニブ

ALK阻害薬の副作用

ALK阻害薬の治療による副作用には、めまいや頭痛、味覚障害、不眠、吐き気、下痢、便秘、血圧変動、徐脈、食欲不振、発熱などがあります。

EGFR阻害薬

本来であればEGF(上皮成長因子)と結合して細胞増殖するEGFR(上皮成長因子受容体)が、何らかの原因によって細胞を単独で増殖させる現象が起きることがあります。EGFR阻害薬は、その異常ながん細胞増殖を抑制する治療薬です。

EGFR阻害薬の薬剤名や対象になるがんの種類

アファチニブ

エルロチニブ

ゲフィチニブ

セツキシマブ

パニツムマブ

EGFR阻害薬の副作用

EGFR阻害薬の副作用には、下痢や嘔吐、食欲不振、口内炎、爪の障害、発疹、倦怠感、発熱、黄疸、食欲不振などの症状が起こることがあります。

HER2阻害薬

HER2阻害薬は、がん細胞の増殖に関与するHER2(ヒト上皮成長因子受容体2型)という物質に結合して細胞障害などを起こし、抗腫瘍効果を起こす治療薬のことです。

HER2阻害薬の薬剤名や対象になるがんの種類

ラパチニブ

トラスツズマブ

エムタンシン

ペルツズマブ

HER2阻害薬の副作用

HER2阻害薬の副作用には、発熱や頭痛、嘔吐、発心、咳、虚脱感、口内炎などの症状が出ることがあります。稀に間質性肺炎や肺浮腫、不整脈などがあらわれることもあります。

血管新生阻害薬

新たに血管が作られることを「血管新生」と言います。がん細胞は大量の栄養や酸素が必要なため、新たに血管を作ってそこから供給した栄養源で増殖していきます。血管新生阻害剤は血管内皮細胞に作用して、がん細胞への栄養供給を絶つことで増殖を抑制します。

血管新生阻害薬の薬剤名や対象になるがんの種類

ベバシズマブ

ソラフェニブ

血管新生阻害薬の副作用

血管新生阻害薬の副作用は、動脈血栓や高血圧、創傷治癒障害、蛋白尿、心不全、甲状腺機能低下、下痢、倦怠感、などの症状が起こることがあります。

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抗がん剤含め、治療法にはそれぞれ副作用やリスクを伴います。抗がん剤の副作用についてはこちら、他の治療法については、メリットデメリットを含めてこちらでご紹介しています。

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休診日:日
5種類以上 要相談 9:00~18:00
休診日:土日祝
※1引用元HP:クリニックC4公式HP https://cccc-sc.jp/
※2引用元HP:都立駒込病院公式HP http://www.cick.jp/
※3引用元HP:東京放射線クリニック公式HP https://www.troc.jp/
2019年6月時点の調査をもとに作成しています
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ヒロシ(57)

肺がんステージ4

現在57才。妻と子供2人の4人家族。
突然の肺がんステージ3宣告を受け、抗がん剤治療をメインに闘病したが、骨への転移が確認される。