緩和ケアとは、がん治療による精神的、身体的な苦痛をやわらげるために行うケアです。がん治療中から受けることができます。がんに罹患すると、死に対する恐怖を感じたり、落ち込みや悲しみなどの心の苦痛を感じたり、からだへの痛みや倦怠感なども感じます。
緩和ケアでは、これらの苦痛をとりのぞいて、患者さんと家族にとって、自分らしい生活を送れるようにするためのケアをおこないます。緩和ケアの定義の一例をあげると、「痛みや、そのほかの苦痛となる症状を緩和する」、「がん治療の初期段階から、外科手術、化学療法、放射線療法などと連携しながら、緩和ケアを行う」、「生活の質を向上させ、前向きに生きるちからを支える」などがあります。
がんに罹患した方の約7割は、痛みを感じています。緩和ケアでは、がんの痛みを治療によって、9割以上、押さえることができるという結果報告もあります。(参照元:武田 文和著『がんの痛みを救おう!―「WHOがん疼痛救済プログラム」とともに』/医学書院)。
緩和ケアは、がん治療末期の方だけが受けるケアではなく、治療初期段階から一緒に受けられるものです。緩和ケアで受けられる内容は、以下のようなものがあります。
考え方としては、「がんによる精神的、肉体的に問題を抱えている患者さんやその家族に、より早期段階から考慮すべき」という点があり、患者さんと家族が考えるQOL(生活の質)を実現するための緩和ケアを意味しています。
緩和ケアのひとつに、痛みを取り除く方法があります。痛みのコントロールとして使用されるのが医療用麻薬です。この用語を聞いたことがある人も多いと思います。
がんの痛みを軽減するために使われるものですが、「麻薬」と聞くと、怖いもの、中毒症状が出るのではないかと心配になる方も多いです。しかし、医療用麻薬は、医療用に開発されたものですし、痛みがある状態で使用すると、中毒にはなりません。
代表的な医療用麻薬に「モルヒネ」があります。粉末、錠剤、注射剤などさまざまな剤形があります。モルヒネの働きは、痛みを脳に伝える神経の活動を抑え、鎮痛作用を示します。
痛みを取るための量や効き目には個人差がありますが、医療用に開発されたものなので、医師が適切に使用すれば量が増えたとしても中毒や依存症にはならないことが分かっています。
抗がん剤治療について
セカンドオピニオンに相談するメリットとは
ヒロシ(57)
肺がんステージ4
現在57才。妻と子供2人の4人家族。
突然の肺がんステージ3宣告を受け、抗がん剤治療をメインに闘病したが、骨への転移が確認される。