ここでは、転移がんに対応している放射線治療クリニックを3院ピックアップ。治療対象としている癌の種類が多い順に紹介しています。
対応するがんの種類が多いほど、さまざまな転移がんの予防や治療に柔軟に対応できる病院といえるため、ぜひ参考にしてください。
10種類以上(全身)
強度変調照射(IMRT)での放射線治療である「トモセラピー」を導入
トモセラピーには、強度変調照射と呼ばれる放射線治療が用いられ、がん病巣を包み込むように照射することが可能。正常組織に対する線量を軽減できる特徴があります。“がんに厳しく、身体に優しい放射線治療”が行える放射線治療システムといえるでしょう。対象部位は頭頸部がん、肺がん、乳がん、前立腺がんをはじめ、大腸がん、胃がんなどの消化器系まで幅広く対応をおこなっています。
ステージ4のがんへ積極的な治療に取り組む
重粒子線、陽子線など、粒子線治療を含む先進医療の施設で治療を断られてしまったステージ4のがん患者さんに対しても、治療対応をしてくれるのがポイントです。上記トモセラピー(強度変調照射[IMRT]での放射線治療)と、分子機構の修正を行う薬剤との併用によって、積極的ながん治療を進めていきます。
多数転移など難しいケースでも治療
放射線医学総合研究所で治療装置の開発にも関与した経験や、これまでの治療実績に基づき、極めて複雑かつ正確な照射プログラムを策定。それにより、多発転移など多数の病巣があるケースでも、PET-CTで確認できるがんの多くは制御が可能となっています。また、免疫療法を組み合わせた独自の治療スキームを持っており、手立てがないと言われたケースでも治療の可能性があります。
9種類以上
根治的放射線治療と緩和的放射線治療を実施
病気の徹底的な治療を行う根治的放射線治療とともに、がんの辛い痛みや症状を和らげる緩和的放射線治療にも注力。とくに、強い痛みや緊急状態の患者さんにはスタッフが協力して可能な限り早急に対応します。
放射線化学療法と手術を組み合わせた治療
放射線腫瘍医、診療放射線技師、医学物理士、医療クラーク、看護師が協力し、各専門知識と技術を生かして治療に携わるのも特徴。また、各診療科の医師やスタッフと協力し、各疾患の放射線化学療法、手術と組み合わせた放射線治療を行っているのも特徴です。
7種類
限局性腫瘍に積極的な放射線治療
2011年の新病院開院以来、強度変調放射線治療(IMRT)や定位放射線治療等の高精度放射線治療をルーティン的に行えるよう体制を整えてきています。 正常組織に対する照射線量を減らすため、頭頸部がんや前立腺がんをはじめ腹部・骨盤部・頭部などでも各種の限局性腫瘍にIMRTを積極採用しています。
複数の定位放射線治療を実施
肺がん・肝臓がんに対する「動体追尾定位放射線治療」や、転移性脊椎腫瘍に対する「定位放射線治療」などを実施。トモセラピー機器を導入し、これまで実現困難だった複雑形状のターゲットに対しても、その形に沿った治療を行っています。
転移がんに対応している放射線治療クリニックは関東圏で13院あります。以下に、一覧にしてみました。より詳しい情報は各詳細ページをご覧ください。
先端的放射線治療機「トモセラピー」による、がん治療専門のクリニック。末期がんや多発転移のケースなどにも積極的に対応しています。
一般診療、人間ドック・健康診断、乳腺外来、がん治療、軽度認知症の予防・検査に対応。がん治療では、科学的根拠に基づいた“あきらめない治療”を実践。
東京都区東部の中核的な医療機関として、24時間、二次救急医療の充実に努めている病院。リハビリ部門と予防医療に力を入れています。
がんと感染症に重点を置き、高度&専門的な医療を行っている病院。新病院開院(2011年)以来、高精度放射線治療機を導入しています。
独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)の病院として、急性期医療からがんの加療、緩和ケアまでさまざまな局面での療養に関わっています。
JCHO東京新宿メディカルセンターの
特徴や評判
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救命救急から先進医療、穏やかなエンディングまで、診療連携の推進によって地域を包括する医療体制を整えています。
IMRTやSBRTといった高精度放射線治療の専門クリニックとして、がん治療を行っているクリニック。自由診療にも対応しています。
筑波大学のサテライトキャンパスとしてリニューアル。常勤医師として、大学教員が派遣されています。
地域医療支援病院として、地域の病医院との連携や救急車の積極的な受け入れを実施。また、がん・糖尿病・心臓疾患・脳卒中を中心に医療提供体制を築いています。
順天堂大学の大学付属病院。急性期医療を中心に、高度専門医療が必要な患者さんを診療する役割を担っています。
がん治療のリーディングホスピタルとして、先端的ながん医療を提供。臨床研究の中核病院として、臨床研究や治験等も実施しています。
「放射線治療センター」を設置しており、放射線の照射表面の影響を軽減し、腫瘍に線量を多く集中できるバリアン社製の「リニアック:Trilogy」と、サイバーナイフ第4世代を導入しています。
がん・救急医療・心臓病・脳疾患を中心とした高度先進医療を提供。小児科・産婦人科を含む高度・急性期医療も充実させています。
1901年に設立された120年近い歴史のある病院。こちらの放射線科には、診断、治療、核医学の3部門があり、それぞれに放射線技師および専門医が配属されています。放射線検査と核医学検査が行われており、最新設備が導入されているのが特徴です。
千葉大学医学附属病院の放射線科では、放射線を活用した画像診断やIVR(画像診断と手術を組み合わせた治療)、放射線治療などに対応しています。また、放射線治療にはアイソトープ治療や外部照射などを用いて、低侵襲の治療を目指しているのも特徴的です。
2008年に東京都認定がん診療病院に認定され、2012年には地域がん診療拠点病院に指定されるなどこのエリアのがん治療の中枢を担う大病院。最新型の放射線治療装置「リニアック」により位置制度の高い治療を受けることができます。
がん診療に特化した日本初の病院であり、現在もがん専門病院として幅広く知られているがん研究会有明病院。リニアックなどの治療装置を用いた放射線治療を含め、がんに対するあらゆる治療を行っています。基本理念は、「がんの克服をもって人類福祉に貢献するべく、心のこもった優しい医療を提供すること」です。
東京都港区にある東京慈恵会医科大学附属病院の放射線治療部は日本放射線腫瘍学会(JASTRO)の認定施設です。強度変調放射線治療(IMRT)や、定位放射線治療(STI)といった高精度放射線治療やイリジウムを用いた治療を行っています。
茨城県立中央病院に併設された「茨城県地域がんセンター」は、茨城県のがん高度専門医療を提供する機関です。外科手術・化学療法・放射線治療・緩和ケアの全方面から、患者さんの意思を尊重して適切な診療と治療を提供します。
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンターの
特徴や評判
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放射線科のある独立行政法人国立病院です。バリアン・メディカルシステムズ社のTrueBeam(トゥルービーム)を導入しており、強度変調放射線治療を提供できます。前立腺がんに対する密封小線源治療は、全国的にも治療実績数が多く、評価を得ています。
世田谷区にある総合病院。一般的な放射線治療のほかに、前立腺癌I-125小線源療法を実施。各診療科の連携を密にしてがん治療全般に対応しており、患者さんやご家族のためのがん相談や緩和ケア治療にも積極的に取り組んでいます。
2010年に中野区江古田の慈生会病院がリニューアルして、新たに生まれ変わったのが「総合東京病院」です。がん治療に於いては放射線治療センターを併設し、高度放射線治療装置「True Beam STx」を導入して治療にあたります。
がんの放射線診療に特化した医療機関で、診療科は放射線治療のみとなっています。また、最新の治療方法「重粒子線がん治療」に対応しているので、正常な細胞の影響を抑えつつがん治療を受けられるのも大きな特徴です。
さらに重粒子線治療の実績もあり、2016年以降は公的保険にて診療を受けた方もいます。
掲載している治療法は保険適用外の自由診療も含まれます。自由診療は全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。 また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。
ヒロシ(57)
肺がんステージ4
現在57才。妻と子供2人の4人家族。
突然の肺がんステージ3宣告を受け、抗がん剤治療をメインに闘病したが、骨への転移が確認される。